ユング心理学を読んで

ユング心理学入門を久し振りに読んでみた。
どんなことが書いてあったか、まとめてみよう。
1.心の現象学
心理療法を受けに来る人は、哲学的とか宗教的な問いを抱えてくることがままある。
追い返すわけにはいかないし、実際役に立つために、視野を拡げて見てみよう。
それはおそらく、心理学といっても自然科学とは少し違ったものになるだろう。

2.フロイトアドラー
フロイトアドラーも、無意識を問題にしているが、それぞれ性の抑圧の因果律、権力への意志による挑戦と、違ったものの見方をしている。
それぞれで十分説明はつくが、タイプによってものの見方は変わる。
フロイトは、性的な願望が抑圧され、そのエネルギーが神経症の問題に現れるとする。この章ではロマンチストと言われているが、ロマンチストゆえに、フロイトはエネルギー論である。
簡単な問題ならカタルシスで解決する。
アドラーは権力志向を推察する。特に女性のステレオタイプから外れた行動は自分の地位を高めることを目的とした行動が多いので、この理論は一般的な人のいさかいやトラブルを考察するのに役に立つ。
目的論であり、無意識的な自己愛性障害の症状であると分析するって考えると自分の場合は分かりやすい。

3.タイプ
タイプには外向(extrovert)・内向(introvert)、思考(think)・感情(feel)・感覚(sense)・直観(intuit)がある。
外向・内向はアテンションをどちらに向けるか。思考と感情は理由がある、つまり説明可能な根拠を持っている。感覚と直観はそのものを大事にする、理由はあってもなくても良い。思考と感情は対立し、感覚と直観は対立する傾向にある。外向き(思考と感覚)だけで終わる人もいれば、内向き(感情と直感)だけで終わる人もいる。外向きと内向きを組み合わせた人もいる(思考と直観・感情と感覚)。
対立してる機能は補いにくいが、基本はある程度補いあって主なタイプというものができてくる。

4.コンプレック
コンプレックスは核となるHQ(ヘッドウォーター)を持っており、そこからゲリラを派遣してくる。ゲリラと対向しつつ相手の良いところを発見し認めると、時々良いものが贈られてくる。

5.個人的無意識と普遍的無意識
普遍的に元型と言えるものが存在する。
例えば影、太母、老賢者等がある。
影とは、自分の意識・性格を形づくっていくなかで無意識に悪とみなし排除してきた部分が形を持ったもの。
敵だと思ってきた者との戦いのなかで相手から得られるもの・贈られてくるものがあったりする。敵は自分の影であり、贈られてくるものは自分が持っていなかった相手の持つ性質と経験。

6.心像と象徴
心像は概念の逆と言える。概念は下位の概念から上位の概念が構成されて三角形を形づくるが、心像は異なった概念を吸収してイメージを形づくる。概念は明晰であるのに対し、心像は不合理でかつしぶとく生命力に満ちている。
もはや概念化されうる程、普遍的な心像のことを象徴と言うが、神秘的な要素(ヌミノース)を持っていることが象徴の必要要件である。
厄介だけど生命力に満ちているのが象徴の世界。

7.夢分析
夢の意義は基本的に補償作用。意識において欠けたところを補ってくれると言って良いけど、その時のコンプレックス(HQ)からの刺客だと思ってみてもよろしい。相手の違った面を発見して、態度が変われば、それが補償作用。

8.アニマ・アニムス
ペルソナの裏に位置するのがアニマ・アニムス。ペルソナは社会的役割。期待されているロール(役割)。中二病的に言うと。
アニマ・アニムスは自分の性別(ペルソナ)とは逆の女性らしさ・男性らしさ。アニマは母親を基礎にして産まれる素晴らしい女性。第一段階:エロい、第二段階:好き、第三段階:もはや天使、第四段階:最強じゃね?に変わっていく。
アニムスは社会的に頼もしい男性に象徴される。浮気症じゃなくても複数いるのが基本。第一段階:肉体的に強い人、第二段階:スマートな人、第三段階:発言力のある人、第四段階:深い魅力的な男性に変わるらしい。
夢に出てくる場合は自己(self)から。

9.自己
自己とは、意識と無意識を含めた全人格の中心点のこと。深淵。
ラスボスを超えた何か。繰り出してくる刺客は不可思議なくらい強烈に印象に残り、また魅力的。
調子に乗ってあんまり吸い込むと容易に自我肥大(ego inflation)を起こす。あるいは強大で神秘的なものに囲まれてしまって道に迷って抜け出せなくなる。
基本的に強力な自制心を持って取り組むのが大事なこと。
うまく統合することができた暁には、人間的に素晴らしい器になれたり、また深みのある人間性・精神性を持った人になることができる。

自己(self)を絵にしたり図示したりしたものは曼荼羅というが、自分の考えでは自己から送られてくる御守りのようなもの。4と円がモチーフ。
曼荼羅で心は秩序づけられ、安定する。

.