モンティ・ホール問題から。小ネタ。

僕は彼女と一緒にスキー場に来た。宿泊は山奥のペンションだ。

僕の彼女は少々エキセントリックなところのある女の子で、下手すると過去人を殺していても不思議じゃないくらい危ない精神の持ち主だった。

ペンションで宿泊中、異常気象による記録的な豪雪で交通網が遮断された。僕らは3日3晩完全にペンションの中に缶詰めとなることになった。

ペンションには他8名程の宿泊客がいた。ここの従業員は2名だ。

缶詰めになったことで、僕らは不安だった。他の宿泊客と世間話やら自己紹介をしたりして、交通網が回復するまで時間を潰した。

その日、殺人事件があった。

夜が明けると、三人の宿泊客が死体となって発見された。警察はすぐには来れない。

僕らはそれぞれに自衛することにした。僕は、実は彼女がやったんじゃないかと不安になった。この状況でそれだけのことをしそうな危うさが彼女にはあった。僕は彼女を守るという名目で、監視することにした。

次の日の夜も、また次の日の夜も、殺人は起きた。僕は彼女が殺人をしているのではないかという不安を拭い切れなかった。

そして、僕ら以外の人は皆殺されてしまった。

次は僕が殺される番だった。

そして襲撃があった。暗闇の中、僕は致命傷を負いながら、犯人を殺すことに成功した。

犯人は、僕の彼女ではなかった。宿泊客の一人だった。

血の池に横たわりながら、僕はおそらく彼女を守れたことに安堵した。

同時にこうも思った。もっと早くにこいつを殺していれば、他の人は死ななかったんじゃないかと。

それがどの時点かは分からないけど、薄れゆく意識のなかで、僕はそう思った。


あ、彼女生きてた。良かった。


おしまい。



モンティホール問題

自分が選択しているものの他の選択肢がはずれだった場合、はずれだった選択肢が消失した分だけ、残った選択肢の当たりの確率が増える。ただし、自分の選んでいる選択肢が消失することはないという条件があった場合、他の選択肢の確率のみが上がるという問題。

事後確率問題とも言われ、主観や直感と客観の論理の間にずれがあることから、一種のパラドックスとされている。