哲学について
哲学について知り得ていることを書く。
幼少期の自分が考えてきた哲学は主として、時間の連続性、物質の連続性、意識の連続性への猜疑(批判)について。
世界5分前創造説や、世界がなぜ出来たか確証を得ることができるか、精神や神の存在とは如何様か云々。
認識により図れるものでないイデアや物自体という概念を持ち出すと、形而上学な、あるいは芸術、宗教的側面に接続されてくる。
その点で、ショーペンハウエルは非常に面白いと思う。
世界はアプリオリ(先験的)に表象による因果に支配されており、因果を超えたものとして意志がある。
意志は無根拠であるが力を持っており、意志が顕現されたものが世界である。
芸術家は意志が顕現される本質(イデア)を描こうとする者であり、そこに美の本質がある。
一方で、意志を超越した体験、それは神秘的(ヌミノース)な体験であり、これは宗教の本質である。
芸術のレベルには、建築術や職人によるもの、風景画や造園、彫刻や動物画、宗教画と後の方になるにつれて美のレベルが高い。
音楽は、意志そのものであるとしている。だとすれば、歌う人という物も、一種の芸術かなと自分は思う。
意志の顕現として国家があり、意志の否定として宗教がある。
キリストの愛他精神は、意志の否定であるとしている。
そして、意志の一切の否定として、無が無限を有することについても触れており、これは仏教思想の空へと接続するものである。
余談だが、私達が自由意志だと思っているものも、脳科学的には認識より先に脳活動がある。つまり一般的に言われる自由意志は存在しない。ショーペンハウエルの言う自由意志も同じく一般的な自由意志に該当しない性格のものである。
何はともあれ、自分にとってそれ以上に面白かったのは、
1.ラジュア=グナ(意志を信じるか)
2.サットヴァ=グナ(イデアを楽しむか)
3.タマ=グナ(空虚で退屈に生きるか)
という3つの生き方であり、それは非常に含蓄の深い人間世界の見方に思えている。